「アートラインかしわ2009」― 白熱のライブペインティング
OUT OF PLACE 〜何処にもない場所〜
(記)柏木じゅん子 2009.11
写真提供:アートライン

11月22日(日)、柏市立第一小学校体育館にて、ライブペインティング「OUT OF PLACE 〜何処にもない場所〜」が開催された。当初はハウディモールにて行われる予定だったが、あいにく小雨が降ってきたために、会場を屋内に変更する運びとなった。出演者は、山下洋輔さん(ジャズ・ピアニスト)、矢部直さん(DJ)、西村記人さん(ペインティング)。多くの観客が見守る中、白熱のライブペインティングが始まった。

out of place 1

日本を代表するジャズ・ピアニストの山下洋輔さん。国内外で活躍されており、オーケストラ・和太鼓・アーティストとの共演など、その活動は多岐に渡っている。2003年には紫綬褒章を受章され、現在は国立音楽大学・名古屋芸術大学の客員教授に就任されている。山下さんの演奏は聴く者を魅了し、会場を一気に高揚させた。

山下洋輔さん

DJの矢部直さん。“United Future Organization(U.F.O.)”のメンバーで、国内のみならず海外のクラブ・シーンにおいても高い評価を得ている。今回は、サックス奏者のKOYOさんも加わり、ライブペインティングを更に盛り上げた。

矢部直さん

そして、白いキャンバスに西村記人さんのシルエットが浮かび上がった。西村さんは40歳を過ぎてから画家に転身し、1997年からは国内や海外でライブペインティング活動を行っている。「アートスパイダー」の異名をとる西村さんは、自らの手を筆として、縦横無尽に色を重ねていく。むしろ、身体全体で描いていると言ったほうが良いかもしれない。

out of place 2

今回のライブペインティングは、ピンと張り詰めた緊張感のようなものが漂っていた。その中で、山下さん・矢部さん・KOYOさんの繰り出す即興の音楽と、西村さんのペイントが激しくぶつかりあい、キャンバス上で火花のように色彩が飛び散っていく。

out of place 3out of place 4

先日の「ライブペインティング30 VS 30」や「dopperu on street」では、ミュージシャンとアーティストが、“調和”しながら作品を共に作り上げていく印象を受けたが、今回は、ミュージシャン VS アーティストの“勝負”を見ているような気持ちになった。イベントのフライヤーに「斬り合い。」という言葉が書かれていたが、まさしく“真剣勝負”である。

out of place 5

今回のライブペインティングのタイトルは「OUT OF PLACE 〜何処にもない場所〜」。何処にでもある街の風景が、ライブペインティングによって「何処にもない場所」へと変化する。そして、その場所では、音楽とペイントが拮抗しながら、お互いにどんどん研ぎ澄まされていき、新たな芸術を生み出した。

作品

圧倒された1時間のライブペインティングが終わった後も、観客たちは“斬り合い”の痕跡とも言うべき作品を熱心に眺めていた。