「アートラインかしわ2009」― アート×音楽、一期一会の"響演"
dopperu on street
(記)柏木じゅん子 2009.11

11月8日(日)、ハウディモールにてライブペインティング「dopperu on street」が開催された。「dopperu」とは、倉庫を改修した多目的スペース「モナイゾ」に集まったアーティストたちが、2006年から始めたライブペインティング活動「ドッペルナンチャラ倉庫」のことである。

dopperu 1坂巻裕一さん

ミュージシャンたちの即興の演奏に合わせて、アーティストたちがダイナミックに絵筆や刷毛を走らせる。まるで、音楽を身体に取り込み、筆を通して音を視覚化しているかのようだ。

フフフ〜ン部シンイチさん

また、絵画の他にインスタレーションも登場した。制作者は石川美穂子さん。石川さんは、昨年のアートラインのプロジェクト「ここに秋みぃ〜つけた!!オータムパレット」において、雑貨屋P&Pの壁面を、ペットボトルを素材とした紅葉で秋色に彩った。今回は、月光を思わせる銀色の輪の立体作品が制作され、ライトアップによって、幻想的な雰囲気を醸し出していた。

石川美穂子さん1石川美穂子さん2

ライブペインティングでは、観ている側にとって、最初に予想していた作品とは全く異なる方向へ進むことが多い。キャンバスに水色と緑の帯が描かれ、「水流か風を表しているのかな」と思えば、突如、赤と黄色の渦が出現し、最終的にはキャラクターが浮かび上がる作品などもあった。

制作過程 1制作過程 2

このように、次々と予想外の色が重ねられていくにつれ「次はどうなっていくのだろう」と、観ている方も"わくわく"を味わうことができる。美術館で、既に完成した作品を鑑賞する時とは異なり、観客もアーティストと共に制作過程を楽しめるところに、ライブペインティングの醍醐味があるといえるだろう。

制作過程 3

そして、二番街の似顔絵テナントでもよく知られている福永明子さんの出番がやってきた。福永さんは、先日の「ライブペインティング30vs30」や今回の「dopperu on street」にアーティストとして参加された上、アートラインの実行委員の1人として、連絡・準備など何役もこなされている。

福永明子さん 1

今回のコラボレーションは、福永さん・ギターの野村雅美(まさよし)さん・ヴォイスのarincoさんの3人。 ゆるやかなギターの音色とヴォイスに導かれるように、キャンバスに花が咲いていく。背景は闇夜のイメージなのか墨で塗られ、その中で花々がほのかに輝く。福永さんは、arincoさんからガーベラの花束を受け取ると、キャンバスに描かれた花の間に、そっと生花を差し込んでいった。

福永明子さん 2福永明子さん 3

福永さんにとって、ガーベラは「平和の象徴」とのこと。闇の中で、あたたかい光を放つガーベラは、優しい音色のギターとヴォイスと響きあい、平和への希望を奏でているようにも思える。

福永明子さん 4

「ドッペルナンチャラ倉庫」が提唱しているのは「絵と音の化学反応」。「dopperu on street」で起きた化学反応は人々を引き寄せ、アートと音楽の一期一会の"響演"を、観客たちも一緒になって楽しんでいた。